独立診断士のリアル

2018年5月に中小企業診断士として独立。仕事や収入のことなど。

診断士になってはじめての民民契約~ものづくり補助金の仕事~②

先日書いたものづくり補助金の仕事について続きを書きます。

 

 

前回の記事↓↓

 

shigyou.hatenablog.com

 

初めてのFAXDM送信

FAXDMは自宅兼事務所の場合、住所と電話番号を不特定多数に晒すことになります。最初、妻にかなり心配されました。夜中に電話されたり、嫌がらせされたりするのでは?なんてことを心配していましたが、取り越し苦労でした。そんなことよりもショックだったのは、今後送信不要の連絡FAXです。直電でハードクレームが来るよりはましですが、やはり「拒絶」はこころ刺さります。

FAXDMの一般的な反応率は0.1%~0.2%

最初、1つの県に約500通送信しました。結果は、今後送信不要の連絡FAXがその日のうちにが10通、翌日に5通でした。その後、1週間しても引合い無し。しかしここでめげてはだめです。FAXDMの一般的な反応率は0.1%~0.2%と言われています。つまり500通の送信で引き合いがないのは当然と言えば当然なのです。

初めての問合せ!しかし…

次に、近隣の3県に合計1500通を送信しました。送信不要の連絡が当日と翌日に20件ほど。この時点でかなりやる気をなくしていましたが、その数日後に初めて1件の問い合わせが入りました。しかしクロージングには至りませんでした。社長は補助金の手続きの煩雑さなどを心配しているようでしたが、私は納得のいく説明ができず失注してしまいました。私の経験の乏しさがもろに露呈してしまいました。この時点で私は完全に心が折れてしまいました。

ギリギリ逆転!

その後1カ月ほどが経過した頃、診断士協会から仕事の依頼が入り始めたこともあって気持ちも切り替わり、ものづくり補助金のことはすっかり忘れていました。そんなとき、「ものづくり補助金をぜひ使いたい」と電話が入ったのです。即、契約が成立しました。この時点で補助金の締め切りまで3週間ほどでした。これが私の初めての民民契約の瞬間でした。その社長は、補助金自体ではなく設備投資そのものを迷っていたため依頼が遅くなったということでした。ものづくり補助金は募集期間がおよそ2カ月程度です。FAXDMの送付先がその期間内に設備投資の予定があるかどうかに引き合い件数が大きく左右されます。

何すればいいか分からない!人脈に助けられる!

前回も書きましたが、私はその時点で事業計画書の作成経験が皆無でした。何をしていいのか全く分かりません。SWOTとかするの?みたいなレベルでした。そこで、実務補習で知り合った方に相談したところ採択された事業計画書のコピーを頂きました。これにはめちゃくちゃ助けられました。その方には師匠がいらして、師匠の下請けをしているのでものづくり補助の採択事例集を持っていたようでした。

人脈は大事

つくづく実感した瞬間でした。

事業計画書の内容

結局のところ、事業計画書は

①現状の問題を書く(業務効率の低さ、品質の低さとか)

②購入したい設備のことを書く

③設備投資で問題が改善することをアピールする

④設備投資後数年間の収益性のシミュレーションを書く

ポイントは③④はある程度理想を書いたのでよいということです。実現性にとらわれ過ぎて控えめな内容にするとインパクトに欠けて審査が通りにくくなります。あくまでも計画なのです。実行できなくても補助金を返せとは言われません。

報酬のこと

結局のところ、6月末に採択が決まり、先日やっと設備導入を終えることが出来ました。来月には入金があります。私は完全成功報酬(交付額の20%)で契約しました。今回の報酬は約90万円です。はっきり言ってこれは世間相場よりも高めです。まわりの診断士を見てももっとリーズナブルな価格です。商工会なら指導員が無料でサポートしてくれます(クオリティの面はよく分かりませんが)。今、補助金申請代行で高額な報酬をとることに中小企業庁が警戒感を強めています。今のところ明確な禁止規定やペナルティはありませんが、公募要領には「慎むように」的な文面が載っています。ひと昔前に諸先輩が荒稼ぎした煽りです。今後は、ものづくり補助金の申請代行ビジネスは大儲けすることは難しくなって行くでしょう。補助金額が小さくなっていってますし、そもそもものづくり補助自体が数年で廃止されるでしょう。

現在、2次公募の結果待ち

実は、その後の2次公募でも依頼を頂きました。いま結果待ちです。結果が出ればまた、経緯など書きます。

長文を読んでいただきありがとうございました。

 

診断士試験の思い出

昨日は診断士2次試験だったのですね。

受験生の皆様お疲れ様でした。

私は、1次試験を4回、2次試験を3回受けていますので、

それなりの辛酸を舐めたくちだと思います。

通信教材で勉強しておりましたので

孤独な戦いでした。

そんな孤独な日々の心の支えだったのが

診断士受験生の方のブログでした。

仕事と勉強とたまの家庭サービスを綴ったブログに

ときに共感し、ときにはライバル心を煽られたりもしました。

受験生ブログのおかげでモチベーションを維持できたといっても過言ではありません。

2次試験直後ということで受験生ブログの閲覧数も伸びていることと思います。

悲喜こもごもあるとは思いますが

しばらく試験のことは忘れて、いまは、酒をのむなり、ゲームをするなり、しっかり英気を養っておいてください。

合否に関係なく、待っているのは厳しい競争の世界ですから

診断士になってはじめての民民契約~ものづくり補助金の仕事~

今日は私が診断士になって初めてとれた民民契約について書きます。

独立後すぐには顧問契約をとるのは難しいです。

なので普通は診断士協会などから紹介される公的業務が中心になります。

公的業務は有難い仕事ですが、サラリーマン時代の延長という雰囲気は否めません。

やることはほとんどお膳立てされていますし、報酬もそれなりです。

一方、民民契約を獲得するためには、マーケティングからコンテンツ作りまで全てを自分自身で行う必要があり、完全に自己責任です。そして、やったことに対するリターンが全て自分のものになります。なにより、仕事がとれたことやクライアントに感謝されたときの達成感がひとしおです。

前置きが長くなりましたが、以下に、私が行ったものづくり補助金の申請業務について書きます

 

 

ものづくり補助金とは

中小企業の技術革新や新サービス開発を支援する補助金で、正式名称を「ものづくり・商業・サービス経営力向上支援補助金」といいます。この名称は毎年微妙に変わります。中小企業は設備投資に対してかかった費用の3分の2の補助金を得られます。ただし企業規模によっては2分の1、上限は1000万円です。事業計画の実現性が審査され、採択率は例年40%~55%です。採択されるためには、事業計画書の書き方にそれなりのテクニックが要求されるので、診断士に申請代行の需要があるというわけです。

ものづくり補助金の申請業務をしようと思った理由

実務補習のときにお会いした先輩診断士の方から「ものづくり補助金は儲かる」と聞いたことがそもそものきっかけです。当時は、補助金上限が3000万円の時代でしたから、成功報酬を10%とすれば300万円のフィーが発生するわけです。事業計画書の作成に慣れていれば1週間ほどでできますので、5件手掛ければものづくり補助金の仕事だけで1500万円の売上を獲得できるということです。今年度からは上限が1000万円に下がってしまったので昔ほどのフィーはとれませんが、それでも生産性が高い仕事であることに違いありません。

そもそも仕事のノウハウを持っているのか?

私は、ものづくり補助金の仕事をしようと思った時点で事業計画書を書いた経験が一切ありませんでした。ものすごい見切り発車です。そこは、前職に関連した業界に絞っていたのでまあなんとかなるかなと思っていました。後述しますが何とかなりました。

準備①~ホームページ作成~

ものづくり補助金の申請業務をしたくてもクライアント(設備投資をしたがっている企業)が見つからなければ何もできません。なので、なにはともあれ集客が第一です。しかしやみくもに集客するのは得策ではありません。診断士ならターゲティングは基本中の基本ですね。私は、前職に関連したある業界にターゲティングしました。そして、その業界に特化した補助金サイトを作りました。ホームページ作りは初めてのことで完全に手探り状態でのスタートでした。コストのことを考えて無料ソフトのWIXを使っておよそ1週間ほどで仕上げました。

ja.wix.com

WIXは、編集作業自体はパワーポイントを編集するのと同じ要領でできるので問題ありませんでした。ただ、コンテンツのライティングには苦労しました。他の競合サイトをコピペするとグーグルからペナルティをくらって検索順位が下がってしまいます。文章力の乏しさに四苦八苦しながらどうにか12ページほどのサイトを構築しました。ちなみに、そのとき参考にしたライティングの教本がこちらです。ためになることがたくさん書かれている上にストーリー形式でとても読みやすいです。

 

WIXはノーマルは無料ですが、SEO向上のためにはプレミアムプランへのアップグレードがオススメらしかったので、迷いに迷った挙句月額1266円のプランを選択しました。これを2年分前払いしたのとドメイン登録手数料か何かで初回に合計35000円ほどかかりました。その後、グーグルアナリティクスやグーグルコンソールなんかを設定しましたが、たまにアクセス数をチェックするだけであまり活用できていません。というか使い方がよく分かっていません。説明が英語なので拒絶反応が起きているのです。ただ、後述しますが、集客はできているのでアナリティクスやコンソールを活用出来ていなくてもあまり問題は無いのだろうと思います。

準備②~FAXDMの送信~

ホームページを作ったからといって、それだけで依頼が来るなんてことはまずありません。そもそも企業はものづくり補助金の存在自体を知らないのでものづくり補助金について検索することがないのです。したがって、こちらから企業にものづくり補助金っていうものがありますよ~と教えてやる必要があるのです。その方法がDMです。私が利用したのはFAXDMです。これの最大のメリットはコストが安いことです。1件当たりの送信手数料は約10円です。デメリットはFAX1枚では盛り込める情報量が少ないということです。この点は、FAXはホームページへの誘導手段と割り切って情報を最小限に抑えることがポイントです。ホームページはDMと組み合わせることで相乗効果が生み出されるというわけです。ちなみに、FAXDMは自分で送信したわけではありません。そんなことをしていたら日が暮れるどころか途方に暮れてしまいます。FAX送信代行サービスというものがあります。私が利用したのはネットリアルです。

www.netreal.jp

送信したFAXの雰囲気はこんな感じです。これも記事のライティングに苦労しました。今になって思えば、問い合わせはメールか電話でしか来ないので返信欄は不要でした。ただし、FAX不要の返信欄は必要です。

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長文になったので、この続き(成果)はまた後日書きます。

 

 

今日の診断士の仕事~内閣府受託事業~

今日の仕事は内閣府の受託事業でした。

聞こえの良い印象かもしれませんが

一言で言うと人材紹介会社の営業代行です。

つまり、国が中小企業に対して

「人材紹介会社を利用して優秀な人材を確保して売上高を増加させて税金をたくさん払いなさい」という事業です。

しかもびっくりすることに企業は人材紹介会社にフツーに手数料を払う必要があります。企業に対して国からの補助はありません。

はあ?って思いますよね。私も思います。社長さんらにもよく言われます。

なので、この事業は企業にあまり利用されていません。

ていうか、中小企業には人材紹介会社に高額な手数料を支払う余裕がないので、利用したくても利用できないのです。

手数料は年収の30~40%!!。国は地方の実態を分かっているのでしょうか?

人材紹介会社も問題です。国内最大手のR社なんて30代で年収1000万も珍しくない超一流企業です。しかもこの売り手市場で懐はますます潤っています。その状況で国から営業代行の補助を受けるなんて甘やかしすぎにもほどがあります。業界と政界の闇を感じずにはいられませんね。

あ、すみません。私もその税金の恩恵を受けている身分でした。情けない。

ところで、

私は前職が小売業でしたので法人営業は経験がありません。

この事業を受託して初めてテレアポや飛び込み営業を経験しました。

受付のおばちゃんに虫けらのように扱われることにも最近ようやく慣れてきました。

とはいえ、この仕事には個人のノルマがないのが救いです。

しかも、私個人の名前では到底会ってもらえないような地元の有力企業の社長さんに会えたりします。人脈形成の面ではかなりのアドバンテージがあります。

ちなみに、私の所属するエリアでは診断士協会がこの事業を受託していますが、都道府県によって受託機関はまちまちのようです。

余談ですが、診断士協会の方たちはこの仕事が嫌いな方が多いです。理由は、営業を敬遠する方が多いのと他の公的業務に比べて報酬が低い(日当2万5千)からです。

ちょっとネガティブなことを書き過ぎました。反省。

実は、この事業は企業が本当にやる気になって活用すれば企業の飛躍的な成長に繋がるものです。

今日は、地元の有力企業へ出向き、4名の役員に囲まれて汗だくでプレゼンして、契約をいただきました。

自分のしごとが少しでも世のため人のためになれば嬉しいですね。

 

 

今日は開店休業

タイトルどおりです。とは言え、報酬の出る仕事がなかったというだけで、何もしなかったわけではありませんよ。

 

9:00-12:00 ホームページの準備(記事のライティング)

13:00-14:00 リフレッシュのため水泳(こういう時間は自営業者の特権ですね)

14:00-17:00 ホームページの準備

 

開店休業でも、サービスレベルを高めるための段取り時間だと割り切って焦らず頑張らねば。

昨日は移動時間4時間、走行距離300km

昨日は飲み会でブログを書く時間がなかったので、今日書きます。

 

9:00-10:30  信用保証協会専門家派遣の事前準備

11:00-13:00  派遣先へ車移動(節約のため下道利用で片道2時間!)

13:00-16:00  派遣先(田舎のカフェ)とセッション3時間

16:00-18:00 車移動。地元の商工会議所主催の研修会会場へ。

18:00-20:00 研修会。研修テーマは「地方創生」講師は県庁の偉い人。

20:00-22:00   懇親会。

 

今日のように独立してから車移動が多くなったのでビジネス系のPodcastを聞いています。「青木武志の質問型営業」がオススメです。あと、ボイスレコーダーを携帯して、アイデアを録音するようにしています。時間の有効利用は大事です。

研修会へは積極的に参加しています。研修自体はどうでもいいです。その後の懇親会での人脈づくりが大事です。昨日は、研修講師、商工会議所所長、銀行支店長、有力企業の社長ら抑えるべきパーソンにしっかりアピールしておきました。

 

今日の報酬は保証協会専門家派遣の4万円。懇親会費3500円と代行運転代2500円の支出を差し引いても3万円以上は残りました。専門家派遣事業、有難いです。

 

今日の診断士の仕事

今日の仕事は信用保証協会の専門家派遣事業だけでした。

内容は整骨院の覆面調査です。

つまり、実際に店舗へ行って客として施術を受けるのです。

営業の実態を知ることは、後々の提案に信憑性を持たせるための重要なエッセンスになります。特にBtoCの業態の場合は是非やっておいた方がよいです。

私は、もともと整体・鍼・灸・マッサージの類は好きな方なので、趣味と実益を兼ねていますね。ただし施術費用(6,000円+税)は自己負担です。これはけっこう痛い。持病の腰痛より痛いかも(笑)

覆面調査の状況を簡単にレポートします。

まず、事前に保証協会から渡された資料から、敢えて社長の不在の日に突撃しました。しかも事前の資料で完全予約制であることは知っていたにもかかわらず敢えて予約なしの飛び込みで入店しました。これは従業員さんの対応力を見るためです。そして、従業員の女性は想像以上の対応を見せてくれました。13:00頃の訪問でおそらく昼休憩中のようでしたが私を爽やかな笑顔で招き入れて頂いたのです。女性スタッフ曰く「本来なら飛び込みはお断りするのですが今日は予約が少ないので特別ですよ♡」と。顧客に特別感を与えるこのテクニック!すばらしい神対応です。施術までの待ち時間が10分弱あったので、その間に待合室、トイレ、ご意見箱、POPなどをこっそりパシャリ。清潔感のある治療院で、壁に貼られたアンケート用紙には高評価の意見が並べられていました。そして、肝心の施術もとても丁寧で自宅で出来るストレッチや食事の注意までアドバイスして頂きました。おかげで腰痛もスッキリ楽になりました。

本来なら、腰痛スッキリで言うこと無しのはずですが、診断士としては複雑な気分です。

そうです。課題が見つけられない!!

覆面調査は社長の心にズバッと突き刺さるような経営課題を見つけるために、なけなしのお金をはたいてい行っているものです。それを予想外に完璧に対応されてしまうとこちとら商売あがったりです。まったく困ったものです。

まあしかし、多面的に見れば課題は必ずあります。というか、中小企業の場合、課題はうじゃうじゃ出てくるのが常です。次回以降のヒアリングで課題をしっかり掘り起こしていきます。

ちなみに、今日の報酬はゼロ。というか施術費用の分マイナス(´;ω;`)ウゥゥ

それなりの報告書を作成すれば報酬請求できるのかもしれませんが、半分趣味の行動なのでなんとなく遠慮しました。